三ツ矢サイダーのりんごのヤツ

 おはようございます。

 いきなりだが、三ツ矢サイダーのリンゴ味がするドリンクをご存知だろうか?

 

f:id:rock_king:20190726225837j:plain

☝️これ

 ここ、二、三年くらい前から急に自動販売機に現れるようになった。もちろん、サイダーの横に。村社会的な考え方が染み付いている俺からしたら、怪訝な表情をする他になかった存在である。誰なんだよ、お前は。三ツ矢サイダーのバーターじゃん。しかも三ツ矢サイダーより目立っちゃってるじゃん、バーターがよ。隣のウェルチにちょっかいとか出してたらはっ倒すからな?親のコネが。

 

 

 

 

ミ喉が渇いた

 と、毒づいてきた自分だが、ここでこのリンゴ君と接触する転機が訪れる。

 時は、うだるような暑さでこれから家に帰るという事実がなければ死んでしまってもおかしくないと言うような、2年前の夏。俺は虚ろな足取りでコンクリートオアシス、コンビニエンスストアに向かっていた。

「らっしゃあせ〜」

 クーラーの効いた室内で呑気にタバコの整理をしているでェがくせいに憎しみの目を向けそうになったが、怖がられるのでそれは一旦飲み込んで、家に帰って便と一緒にトイレにブチ込むとして、俺は慎ましやかに商品棚の陰に隠れている飲み物コーナに直行した。

 目に飛び込んでくるのは、色とりどりの液体、液体、また液体。ああ、これが浦島太郎が見た竜宮城か。いやそれは違う、彼が見たのは生物であって液体では無い。

 すでに身体中の器官から「熱中症」のサイレンが鳴り響いていたので、俺は無造作にドリンクの幾らかを腕の中に掻き込んだ。

 わずかな理性でレジに商品を置くと、先ほどのでェがくせいがまだタバコの整理をしている。

 まだ!?!?!?まだなの!?!?何がわからないの?おじさんに教えて!?今だけバイトリーダーやってやるから!!

「あのー、すみません」

 こんなにフラストレーションを体内で撒き散らしておいて、口から出たのはほっそーーーーい声。朝から声を出していなかったからね、仕方ない。

 

 

 

次回に続く〜。